結婚式に招かれて「何を着ればいいかわからない」と戸惑う人、多いですよね。
礼装の格や紋の数、地色や柄の大きさ、帯の格合わせ、季節感、写真写りまで考えると選択肢が多くて混乱します。
本記事では新郎新婦の母や友人、来賓など立場別のおすすめから白黒や鮮色の配色、避けるべき柄、着付け所要時間や崩れ対策まで、失敗しない選び方を具体例とともにわかりやすく解説します。
礼装の基本チェックリストと季節別のコーデ例、当日までに確認すべき項目を順に見ていけば迷いが減ります。
まずは基本のチェックから、あなたに合う結婚式にふさわしい一着を見つけるコツを確認していきましょう。
結婚式で着る着物の基本チェック
結婚式で着物を選ぶ際の基本を、わかりやすく整理してご案内します。
礼儀や席次にふさわしい装いを選ぶことで、安心して当日を迎えられます。
礼装の格
結婚式では礼装の格がとても重要です。
場の格式に合った着物を選ぶことで、周囲に失礼のない装いになります。
下の表は一般的な格式と代表的な着物の例をまとめたものです。
| 格式 | 着物の例 |
|---|---|
| 最も正式 | 黒留袖 |
| 準礼装 | 色留袖 |
| やや格式高い | 訪問着 |
| カジュアル寄り | 色無地 |
格式は招待状や会場、主催者の立場で変わりますので必ず事前に確認してください。
紋の数
紋の数は着物の格式を示す重要な要素です。
黒留袖には五つ紋が入り、最も格式高い礼装とされています。
訪問着や色無地は一つ紋や三つ紋で用いられることが多く、シーンに応じて選びます。
結婚式の主役に近い立場の方は紋の数を増やすなど、格式の調整が必要です。
地色の選び方
地色は第一印象を左右しますので慎重に選びましょう。
黒は格式高く、白や淡い色は華やかさを出せますが、花嫁の白無垢や白っぽい色と被らない配慮が必要です。
年齢や立場に合わせて落ち着いた色味を選ぶと安心感があります。
若い方は少し鮮やかな色を取り入れてもよく、全体のバランスを意識してください。
柄の大きさ
柄の大きさは着物の印象を大きく左右します。
柄が大きいと華やかになり、控えめな柄は上品に見えます。
- 大柄は披露宴向き
- 中柄はバランス重視の標準案
- 小柄は控えめで年配向き
場面や年齢、立場に応じて柄の大きさを選ぶと全体がまとまります。
帯の格合わせ
帯は着物の格に合わせて選ぶことが鉄則です。
礼装着物には金銀の入った袋帯が一般的で、華やかさを補う役割があります。
カジュアルな色無地には名古屋帯を合わせて格を調整するとよいでしょう。
帯締めや帯揚げの色でアクセントをつけ、全体の調和を取ってください。
季節感
季節感を大切にすると、より洗練された印象になります。
春は桜や薄い色合い、夏は透け感のある素材や涼しげな色を選びます。
秋は深みのある色や落ち着いた柄、冬は厚手の素材や暖色系が似合います。
季節外れの柄や素材は違和感が出ますので、季節に合った一枚を準備してください。
写真写り
写真写りも考慮に入れると、当日の思い出がより良く残ります。
強い色はカメラ映えしますが、光の具合で色が飛ぶこともあります。
柄が細かすぎると、写真で潰れて見える場合があるので注意が必要です。
会場や照明の明るさを確認し、試着時に写真を撮って雰囲気を確かめることをおすすめします。
立場別のおすすめ着物
結婚式での着物選びは、立場によって求められる格式や配慮が変わります。
招待者としての印象や会場の雰囲気を踏まえ、適切な装いを選ぶことが大切です。
新郎新婦の母親
最もフォーマルな場面では黒留袖が定番で、格式を示すなら五つ紋の着用が安心です。
黒留袖が難しい場合には、色留袖や訪問着で上品にまとめるのも良い選択です。
帯は金銀を使った格の高い袋帯を合わせ、帯締めや帯揚げも落ち着いた色味で統一してください。
アクセサリーや髪型は華美になりすぎないよう注意し、華やかさは帯周りで調整することをおすすめします。
既婚の親族
既婚女性の親族は、黒留袖が最も格式が高く、特に新郎新婦に近い親族であれば選択肢になります。
しかし式の性格や招待状の格式に応じて、訪問着や付下げなど華やかさと上品さを兼ねた着物でも問題ありません。
色や柄は控えめにして、主役である花嫁花婿を引き立てる配慮を忘れないでください。
未婚の親族
未婚の若い親族は振袖を着ることが許される場面が多い一方、成人式のような主張が強い装いは避けた方が無難です。
小振袖や訪問着を選べば、若々しさを保ちつつ式にふさわしい印象にできます。
色柄の選び方では、過度に派手すぎない色使いと、花嫁と色被りしない配慮を心がけてください。
友人・同僚(未婚)
未婚の友人や同僚は、格式を抑えつつ華やかさを出せる着物が適しています。
振袖を着る場合は会場の雰囲気や年齢に合わせて選ぶと良いでしょう。
- 訪問着
- 小紋
- 色無地
- 控えめな振袖
足元やバッグは訪問着などと合わせやすい、シンプルで上質なものを選んでください。
友人・同僚(既婚)
既婚の友人や同僚は、振袖を避けて色無地や付下げ、訪問着で落ち着いた華やかさを演出するのが一般的です。
黒留袖は親族向けと認識されるため、招待客としては選ばない方が無難です。
コーディネートは場の格式に合わせ、派手すぎない色使いとまとめ方を意識してください。
主賓・来賓
主賓や来賓は招いた側としての重みがあるため、格式高い着物選びが求められます。
ここでは立場別のおすすめを一覧にして分かりやすく示します。
| 格式 | 着物の例 |
|---|---|
| 最高格 | 黒留袖 五つ紋 |
| 高い格 | 色留袖 一つ紋または三つ紋 |
| 準フォーマル | 訪問着 付下げ |
帯や小物類も格に合わせて選び、全体のバランスを整えることで信頼感のある装いになります。
季節別の着物選び
披露宴や挙式では季節感のある着物選びが写真映えにも繋がります。
季節に合った素材や色、柄を選べば、場の雰囲気に自然と溶け込みます。
春の着物
春は桜や若葉などの明るいモチーフが映える季節です。
淡いピンクや薄緑、クリーム系の地色を中心に考えると優しい印象になります。
素材は袷がおすすめで、軽やかな正絹や上質な縮緬が使いやすいです。
式場が屋外中心か屋内中心かで透け感や帯の厚みを調整してください。
- 淡い桜色の訪問着
- 小さな花柄の附下
- 薄手の袷正絹
- 桜や若葉の帯留め
小物は金や淡いベージュを差し色にすると、柔らかさが際立ちます。
夏の着物
夏は暑さ対策が最優先です、素材と透け感をしっかり確認してください。
絽や紗などの透ける素材は通気性が良く、式場が冷房されている場合でも快適に過ごせます。
色は白や淡い水色、薄黄色など爽やかなトーンが涼感を演出します。
ただし、露出や透けすぎは礼装として不適切になる場合もあるため、真夏の正礼装は織りの種類と裏地の有無を相談してください。
帯も軽めの素材や淡色を選び、汗対策として替えの襦袢や肌着を用意すると安心です。
秋の着物
秋は色の深みと柄の落ち着きで季節感を出すのがポイントです。
| 季節の特徴 | おすすめ素材 | 柄の傾向 |
|---|---|---|
| 暑さが和らぐ 空気が澄む |
袷正絹 紬 |
紅葉柄 落ち着いた草花 |
| 朝晩の冷え込みがある 屋外撮影が映える |
羽織を着られる厚み しっとりとした風合い |
渋めの配色 古典柄の重厚感 |
深みのある臙脂や栗色、藍色などを基調にすると季節感が自然に出ます。
帯は金銀を抑えた渋い意匠を選ぶと全体のバランスが整います。
冬の着物
冬は防寒を意識した素材選びと重ね着が重要です。
裏地のある袷や羽織で暖かさを確保してください。
色は濃いめの深色が似合い、黒や深紫、濃紺などが格式も出せます。
フォーマルな場面では帯周りに金糸が入ったものや厚みのある袋帯を合わせると豪華に見えます。
外での移動がある場合はコートやショールを用意し、写真撮影時の見え方も考えて着脱しやすい準備をしてください。
色柄・デザインの注意点
結婚式での着物選びは色や柄の細部が印象を大きく左右します。
格式や立場にふさわしい配色かどうかを最優先にしつつ、写真写りや季節感も考慮して選ぶと安心です。
白の配色
白は清潔感があり華やかですが、花嫁と被らないように注意が必要です。
真っ白を避ける工夫として、生成りや淡いアイボリーを取り入れると自然な落ち着きが出ます。
- 真っ白の着物は避ける
- 生成りやアイボリーの小物で調整
- 刺繍や地模様で華やかさを出す
帯や帯揚げでアクセントカラーを加えると、白が浮かずに全体が引き締まります。
黒の配色
黒は格式が高く引き締まった印象を与えますが、重くなりすぎない配色が重要です。
黒留袖のような礼装では、柄や帯合わせで華やかさを補うと場にふさわしくなります。
黒地に金や銀の刺繍を使うと夕方の会場でも映えますし、写真にもしっかり写ります。
鮮色の使い方
鮮やかな色は個性を出せる反面、主張が強すぎると場の雰囲気を壊すことがあります。
アクセントとして小物や帯に取り入れる方法が失敗しにくくおすすめです。
全身をビビッドカラーにする場合は、柄のテイストを上品に統一して調和を取ってください。
花嫁被り回避
花嫁の衣装と同系色や同柄にならないよう、事前に新郎新婦に色味を確認すると安心です。
特に白系の打掛や小物とは距離を置く配色にしておくと無難です。
ヘッドアクセやバッグが花嫁の小物と被る可能性がある場合は、別の色に替えることを検討しましょう。
吉兆文様
吉兆文様は慶事にふさわしい縁起の良い柄であり、結婚式でも好まれます。
代表的な文様と意味を把握しておくと、選び方に自信が持てます。
| 文様 | 意味 |
|---|---|
| 鶴 | 長寿や幸運 |
| 亀甲 | 安定と長命 |
| 松竹梅 | 不老不死と吉祥 |
| 宝尽くし | 豊かさと繁栄 |
着物の柄が吉兆文様であれば、礼装としての説得力が増しますし、写真映えも良好です。
避ける柄
弔事を連想させる地味な柄や、葬儀で用いられる絞りや簡素すぎる無地は避けるのが無難です。
カジュアルすぎる大きなポップ柄やアニメなどの現代的なモチーフも場にそぐわない場合があります。
柄が不安なときは、素材の上質感や色の落ち着きを優先して選び、必要に応じて専門店で相談してください。
着付けと所作の実践ポイント
結婚式での和装は、着付けの丁寧さと所作の美しさが印象を左右します。
ここでは当日の安心につながる具体的なポイントを、初心者にも分かりやすく解説いたします。
帯結び
帯結びは着物全体の印象を決める重要な要素です。
格式や年齢、動きやすさを考慮して結び方を選ぶと失敗が少ないです。
| 帯結び | 特徴 |
|---|---|
| 文庫 | カジュアル向け 動きやすい |
| お太鼓 | フォーマル向け 伝統的な印象 |
| 二重太鼓 | 華やかさ重視 式典向け |
初心者や友人ゲストであれば文庫結びが便利で動きやすいです。
母親や来賓などフォーマルに見せたい場合はお太鼓や二重太鼓がおすすめです。
着付け師と相談して、ご自身の体型や着席時の見え方を確認してください。
草履とバッグ
草履はサイズとかかとの高さで歩きやすさが変わります。
草履が大きすぎると足元が不安定になり、小さすぎると痛みの原因になります。
バッグは草履と色を揃えると全体にまとまりが出ます。
フォーマルな場では光沢のある素材やパールの装飾が無難です。
雨天の可能性がある場合は防水カバーや予備のバッグを用意しておくと安心です。
和装小物
必要な小物を揃えておくと当日のトラブルを防げます。
- 半襟
- 帯揚げ
- 帯締め
- 伊達締め
- 補正用タオル
- 衿芯
- 足袋
- 肌襦袢
色合わせは着物本体と帯のバランスを意識してください。
質の良い小物は着付けの安定感を高め、写真写りにも差が出ます。
髪型の定番
和装に合う髪型は、まとめ髪のシンプルなアップが基本です。
低めのシニヨンや柔らかいお団子が年齢問わず好印象になります。
飾りは控えめに、真珠や小さな簪で上品にまとめるとバランスが良いです。
長さが足りない場合はウィッグや付け毛で自然に補うと安心です。
当日はスタイリストに希望の写真を見せて、着物に合う雰囲気を伝えてください。
着付け所要時間
着付けにかかる時間は役割や衣装の種類で変わります。
一般的な訪問着や色留袖は約40分から60分が目安です。
黒留袖や袖の長い振袖など装飾が多い場合は60分から90分を見てください。
ヘアメイクと着付けを同時に予約する場合は余裕を持って2時間程度確保すると安心です。
式場への到着時間は、準備と写真撮影の余裕を考えて早めに設定してください。
着崩れ対策
着崩れ対策は事前準備と所作の両方が重要です。
伊達締めや腰紐をしっかり使い、補正タオルで身体のラインを整えてください。
座るときは裾を少し持ち上げてからゆっくり腰を落とすと崩れにくいです。
移動時は荷物を減らし、特に階段や段差では裾を踏まないよう注意してください。
応急用に安全ピン、予備の帯締め、裁縫セットをバッグに入れておくと安心です。
当日までに確認すべき項目
結婚式当日までに確認しておくべきポイントを、忙しい方でも手早くチェックできるようにまとめました。
衣装の最終フィッティングと着付け時間を確定し、必要ならリハーサルを行ってください。
小物類の有無や草履のサイズ、予備の肌着や補正具を準備しておくと安心です。
当日の天候や会場の雰囲気に合わせて、コートや替えの帯を用意しておくと便利です。
移動手段や集合時間、写真撮影のスケジュールを確認し、連絡先を共有しておくことをおすすめします。
- 最終フィッティング時間の確定
- 着付けと美容の予約確認
- 帯や小物の予備の準備
- 草履のサイズと歩行確認
- 天候に応じた防寒具や替え帯
- 会場までの移動手段と集合時間
- 連絡先の共有と緊急時対応

