結婚式に参列する着物の選び方|NG柄と色を避けて好印象に

桜や牡丹などの和柄が並ぶ色とりどりの着物生地
結婚式

親戚や友人の結婚式に参列する際、どんな着物を選べばいいか、写真やマナーを気にして迷っていませんか。

年齢や新郎新婦との関係、季節や会場の格式によって適した柄や色、裾丈や帯合わせが変わり、失敗すると目立ってしまうこともあります。

この記事では立場別・年齢別・季節別の選び方、避けるべき柄色、着物での所作と当日の最終チェックまで具体的に分かりやすくお伝えします。

レンタル利用時の事前準備や帯合わせのコツ、当日までのチェックリストも掲載しているので直前でも実践しやすい内容です。

結論だけで終わらず実際の着回し例や注意点も紹介するので、ぜひ続きを読んで自信を持って式に臨んでください。

結婚式に参列する着物の選び方

神社の前で微笑む振袖姿の女性

結婚式に着物で参列する際は、格や季節、年齢を総合的に考えて選ぶことが大切です。

主役である新郎新婦を引き立てつつ、場にふさわしい落ち着きと華やかさを両立させましょう。

立場別格

まずは自分の立場に応じた格を確認することが最優先です。

立場 推奨着物
新郎新婦の親 黒留袖 色留袖
親族 色留袖 訪問着
友人・同僚 訪問着 色無地 小紋
若い女性ゲスト 華やかな色柄の訪問着

表を参考に、格式の高い席では留袖や色留袖を優先してください。

カジュアルな招待状や二次会では、小紋や色無地も問題ありません。

年齢別柄

若い方は大きめの華やかな柄や鮮やかな色を選ぶと映えます。

中年以降は、柄の大きさを控えめにして、地色を落ち着かせると上品です。

柄行きは顔周りに明るさを持ってくると若々しく見えますが、全体のバランスを優先してください。

季節別素材

春秋は絹の紋紗やちりめんが適しており、見た目の落ち着きと暖かさの両方を叶えます。

夏の盛りは麻や絽など通気性の良い素材を選ぶと快適です。

冬は厚手の縮緬や袷仕立てで防寒と格式を確保すると安心できます。

色選び基準

白は花嫁の色として避ける、という基本ルールをまず押さえてください。

黒はフォーマルですが、黒一色で華やかさが欠ける場合は色柄の帯で調整しましょう。

肌のトーンや会場の雰囲気、時間帯も色選びの重要な要素になります。

帯合わせ

帯合わせで印象が大きく変わりますので、着物と帯のコントラストを意識してください。

  • 無地着物には柄帯
  • 柄着物には無地帯
  • 淡色着物には濃色帯
  • 夜の式は光沢を控えめにする

帯締めや帯揚げの色でアクセントを入れると、全体が引き締まります。

裾丈

裾の長さは足首がほのかに見える程度が基本です。

おはしょりは崩れないように適切に作り、座ったときの見た目も確認してください。

裾が床に引きずると汚れやすく、動作も不格好になりますので注意が必要です。

結婚式で避ける柄と色

カラフルな和柄の着物が並ぶ店内の様子

結婚式は主役である新郎新婦を引き立てる場ですので、着物の柄や色選びにも配慮が必要です。

いくつかの柄や配色は誤解を招いたり、場の空気を壊したりしますので、事前に避けるべきポイントを押さえておきましょう。

白無地

白無地の着物は晴れの日に爽やかに見える一方で、花嫁の白無垢と混同されやすいので避けることをおすすめします。

特に挙式や和装の儀礼が多い場面では、白は新婦を連想させるため目立ってしまう恐れがあります。

どうしても淡いトーンが好みの場合は、オフホワイトではなく薄い色味の柄入りを選ぶと無難です。

黒振袖風

黒地に豪華な柄の振袖風コーディネートは、格式高く見える反面、目立ちすぎて祝福の場で主役を奪う印象を与えかねません。

袖丈が長く、光沢のある素材や大きな柄が入るものはより注目を集めますので控えた方が安心です。

フォーマル感を出したい場合は、黒留袖や黒無地とは異なる落ち着いた色合いでまとめると良いでしょう。

写実的百合

写実的な百合の柄は花の形がはっきりしていて存在感が強く、挙式の華やかさにそぐわないことがあります。

また、百合は西洋で葬儀に使われることがあるため、柄の描き方によっては喪を連想させてしまう恐れもあります。

百合を取り入れたい場合は、抽象的や小柄のデザインで、全体のバランスを見ながら選ぶと問題が少なくなります。

大柄の金銀

金や銀の箔やラメが大柄で入っている着物は、写真撮影で反射して目立ちやすく、全体の調和を崩すことがあります。

結婚式は写真に残る場ですので、派手な光沢は新婦を引き立てるどころか視線を分散させてしまいます。

金銀を使う場合は、縁や帯揚げなどの部分に控えめに取り入れる方法をおすすめします。

ビビッド配色

原色に近い派手な配色は注意が必要です。

  • ネオンに近い赤や黄
  • 強いコントラストの組み合わせ
  • 蛍光色を含む色彩
  • 単色で目立つ原色

こうした色は会場で浮きやすく、写真の仕上がりにも影響しますので、彩度を抑えたトーンやアクセントで取り入れる程度に留めると良いでしょう。

喪連想柄

喪を連想させる柄は場の雰囲気を損なう可能性があるため避けるのが無難です。

避ける理由
大輪の菊 葬儀で使われる花
深い黒地に控えめな柄 喪服を連想する配色
仏具を思わせる紋様 宗教的な印象が強い

上記のような柄が入っている場合は、柄の大きさや色味、配置をよく確認してから着用を検討してください。

最終的には新郎新婦や会場の雰囲気に合わせることが重要ですので、不安なときは一言相談しておくと安心です。

着物でのマナーと所作

華やかな和柄の帯や帯締めが並ぶ畳の上のディスプレイ

結婚式で着物を着る際は、細かな所作が全体の印象を左右します。

ここでは立ち居振る舞いの基本を、実践的にわかりやすく解説します。

姿勢

姿勢は第一印象を決める重要なポイントです。

背筋をまっすぐに保ち、あごを軽く引くと落ち着いた印象になります。

肩は力を抜いて自然に下げ、胸を張りすぎないように気をつけてください。

帯の位置を意識すると、姿勢が崩れにくくなります。

長時間の立ち仕事でも、時々深呼吸して肩の力を抜くと疲れにくくなります。

歩行

着物での歩き方は、短い歩幅で足先を揃えることが基本です。

つま先から蹴り出すような洋風の歩き方は避け、すべての動作を静かに行ってください。

裾を軽く手で押さえることは許容されますが、常に持ち上げると不自然に見える場合があります。

ヒールの高さは控えめにし、草履の場合はつま先をやや外側に向けて歩くと安定します。

人混みでは一歩引いて相手に道を譲るなど、周囲への配慮を忘れないでください。

座位

座る際は、裾の収まりと帯の崩れに注意することが大切です。

次の表は、正しい座り方と注意点を簡潔にまとめたものです。

正しい座り方 注意点
背筋を伸ばす
膝を揃える
つま先を内側に
裾を踏まない
帯を押し上げない
椅子に深く座りすぎない
袖を収める
両手を膝の上に
袂を広げない
足を組まない

椅子に座る場合は、まず浅めに腰掛けてから背筋を伸ばして整えてください。

座った状態での会話は、相手に対して腰を向けすぎないよう注意すると礼儀正しく見えます。

階段昇降

階段では特に裾と帯の扱いに気をつける必要があります。

  • 手すりを持つ
  • 一段ずつゆっくり進む
  • 裾を軽く持ち上げる
  • 後ろ向きで降りない
  • 周囲の人と距離を保つ

上るときは一歩一歩を確実に踏みしめ、降りるときは視線を落として段差を確認してください。

車乗降

車に乗る際は、まず座席に片脚を入れてから体を回す方法が安全です。

裾を無理に引きずらないように、乗り込む前に裾を整えてください。

助手席などでドアが狭い場合は、相手に手伝いをお願いするのが礼儀正しい振る舞いです。

降車時は袖や帯がドアに挟まらないように確認し、ゆっくりと立ち上がってから一歩を踏み出してください。

食事作法

食事の際は、器を手元に寄せて食べると裾や帯に汁が飛びにくくなります。

箸使いは基本を守り、器を持つときは両手で丁寧に扱ってください。

汁物を飲む際は、椀を軽く持ち上げて飲むと上品に見えます。

食べ物を口に運ぶ仕草はゆっくりと行い、周囲と会話を楽しむ余裕を持ちましょう。

万が一汚してしまった場合は、すぐに係の方や会場のスタッフに相談することが安心です。

当日の着付け最終チェック

浴衣と下駄や巾着などの和装小物セット

いよいよ結婚式当日、着付けが整っているか最終確認を行います。

細かな点を見落とすと写真写りや動作に影響しますので、落ち着いてチェックしてください。

襟合わせ

襟元は左右のバランスが均等か確認します。

衿の合わせが詰まりすぎると窮屈に見え、開きすぎるとだらしなく見えますので、顎一つ分ほどの空間を目安にしてください。

重ね襟がある場合は位置がずれていないか、色が見える幅が左右で同じかをチェックします。

襟の背中心がずれていると写真で目立ちますので、着物の背縫いと襟を合わせる点検を忘れないでください。

帯締め位置

帯締めの位置はウエストラインを基準に調整します。

一般的にはおへそのやや上から下腹部の間にくることが多いです。

帯締めが高すぎると動いたときにずれやすく、低すぎるとだらしない印象になります。

前後の位置だけでなく、左右の傾きも確認し、帯揚げや帯結びとのバランスを整えてください。

帯の締め具合

締め具合は見た目と快適さの両立が重要です。

きつく締めすぎると息苦しくなり、長時間の式典で疲労がたまります。

緩すぎると帯が崩れやすく、写真で形が崩れて見えます。

締め具合 身体の感覚 ポイント
やや緩め 楽な着心地 動きやすい
適度 安定感あり 形崩れしにくい
きつめ 締め付け感あり 姿勢が整う

表を参考にして、着付け師と相談しながら自分に合う締め具合を決めてください。

結婚式は長丁場になりますので、最初からきつくしすぎないことをおすすめします。

裾の収まり

裾の長さは歩行や座位で見える範囲を考えて調整します。

前ツマの位置は爪先に少し余裕があるのが目安です。

裾がたるんでいると品が損なわれますので、左右のたまり具合を鏡で確認してください。

座ったときに膝上が見えないか、足さばきが窮屈でないかも合わせてチェックしておくと安心です。

足袋と草履

足元は第一印象を左右しますので、最終確認を怠らないでください。

  • 足袋のサイズ確認
  • 草履の鼻緒の位置確認
  • 替えの足袋の用意
  • 滑り止めの準備

足袋に破れや汚れがないか、履きジワが深くないかチェックしてください。

草履は歩いたときのフィット感を確かめ、鼻緒の食い込みがないか確認します。

長時間の着用が不安な場合は、歩行用に踵の低い草履やクッションを用意しておくと安心です。

レンタル利用時の事前準備

石畳の道で手を合わせる華やかな振袖姿の女性

結婚式の着物をレンタルする際は、当日の安心につながる事前準備が大切です。

サイズや付属品、返却方法まで、確認項目は多岐にわたりますので、余裕を持って進めてください。

サイズ確認

まずは自分の体型とレンタルサイズの照合を行ってください。

プロフィールだけで選ぶと裄や身幅が合わないことがあるため、実寸を測ることをおすすめします。

項目 測る箇所 基準値
身長 頭頂から踵まで 全体のサイズ目安
裄丈 首の付け根から手首まで 袖丈の基準
バスト 胸の一番高い部分 着付けの余裕判定
ヒップ お尻の一番高い部分 裾廻りの確認

上の表を目安に、レンタル店でのサイズ表と照らし合わせてください。

細かい調整は着付けで対応できますが、大きく外れると着心地に影響します。

試着の時期

試着は結婚式の約2週間前を目安に行うと安心です。

直前に慌てて変更するよりも、余裕を持って再調整できる時期が理想的です。

繁忙期や土日祝日は予約が埋まりやすいので、早めに日時を確保してください。

試着では帯の締め具合や裾の長さ、動きやすさを実際に確かめましょう。

付属品確認

レンタルに含まれる小物は店舗によって差がありますので、必ず事前に確認してください。

  • 長襦袢
  • 帯揚げ
  • 帯締め
  • 伊達締め
  • 足袋
  • 草履
  • 衿芯
  • 着付け小物一式

忘れがちな小物は洗い替えや予備も相談しておくと安心です。

保険と補償

万が一の汚れや破損に備えて、補償内容を確認しておきましょう。

無料の補償が付帯している場合と有料オプションで幅があるため、どの範囲までカバーされるかを具体的に確認してください。

ワインや油など落ちにくいシミは別料金となることがあるので、注意が必要です。

当日のトラブルを避けるために、補償適用の手順や連絡先も控えておくと安心です。

返却手順

返却方法は店頭返却か宅配返却かで手順が異なりますので、借りる前に確認してください。

宅配の場合は梱包の方法や指定の送り状を確認して、締切日時を守るようにしましょう。

返却前に汚れを軽くチェックし、気になる点は写真を撮っておくとトラブル防止になります。

遅延や不足があった場合の追加料金についても、事前に把握しておいてください。

当日までの最終チェックリスト

桜や牡丹などの和柄が並ぶ色とりどりの着物生地

着物と帯、小物類の最終確認をお願いします。

足袋と草履のサイズと状態を確かめ、予備があれば持参すると安心です。

着付け時間と移動手段を再確認し、余裕をもって出発してください。

レンタルの場合は返却時間や保険の有無を控え、連絡先を携帯しておいてください。

メイクや髪型の崩れに備え、簡単な補修道具をバッグに入れておくと安心です。

緊急用の糸と針、膝当てや予備ストッキングなど、万一に備えた小物も忘れず準備してください。

最後に衣装の写真を撮っておくと、着崩れ時の復元がスムーズになります。