卒業式が近づき、何を着れば年齢や式にふさわしいか悩んでいませんか。
訪問着や色無地、付下げなど種類の違いで迷う人は多いです。
色柄や帯、小物、ヘアメイクや着付けの準備も悩みの種になります。
本記事では格式別の選び方から色柄の具体例、帯と小物の組み合わせ、当日の持ち物やレンタルの流れまでわかりやすくお伝えします。
写真に映えるコーデのコツや着崩れ対策のチェックリストも用意しています。
まずは基本の種類と色柄選びから順に見ていきましょう。
卒業式に着る着物
卒業式は節目の行事として、着物で出席する方が多くなってきています。
フォーマルさと個性を両立できるため、写真映えもよく一生の思い出になります。
着物の種類
卒業式でよく選ばれる着物は訪問着、色無地、付下げ、小紋などです。
袴と合わせる場合は振袖や色無地が定番ですが、年齢や立場に合わせて選ぶ必要があります。
母親や祖母が出席する場合は格の高い訪問着が安心感を与えます。
色柄選び
式典の場では派手すぎない落ち着いた色合いが基本です。
ただし顔映りを良くするために差し色で華やかさを加えると、写真で目を引くことができます。
柄は上品な吉祥文様や季節柄を取り入れると、格式と季節感の両方を表現できます。
黒や濃紺といったベースカラーに、薄いピンクや金のアクセントを加える選び方が人気です。
帯の基本
帯は着物全体の印象を決める重要な要素です。
フォーマル度や着付けのテイストに合わせて、袋帯か名古屋帯を選びます。
| 帯の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 袋帯 | フォーマル用 |
| 名古屋帯 | カジュアル向き |
| 半幅帯 | 軽装用 |
袋帯は格が高く、留袖や訪問着に合わせると式典にふさわしい装いになります。
名古屋帯は扱いやすく、付下げや小紋に合わせて落ち着いた印象を作れます。
小物一覧
小物は着付けの仕上がりと快適さに直結します。
- 長襦袢
- 伊達襟
- 補整用タオル
- 帯枕
- 帯板
- 帯締め
- 帯揚げ
- 草履
- バッグ
- 着付けベルト
それぞれの小物は色や素材の相性を考えて選ぶと、全体に統一感が出ます。
着付け準備
事前に下着や長襦袢のサイズ確認をしておくと当日のトラブルが減ります。
着付けに慣れていない場合は練習を重ねて、所要時間を把握しておくことをおすすめします。
着崩れを防ぐための補整や帯の締め方は、プロの着付け師に相談すると安心です。
また袖丈や裾の長さは歩きやすさにも関係するため、事前に試着して調整しておきましょう。
ヘアメイク
着物に合うヘアはまとめ髪が基本で、首元をすっきり見せると上品な印象になります。
髪飾りは着物の色や柄に合わせて選ぶと全体にまとまりが出ます。
メイクはナチュラルながらも写真映えを意識して、目元とリップに少し抑揚をつけるとよいです。
当日は時間に余裕を持って美容室でリハーサルを行うと安心できます。
レンタルの流れ
レンタルはまず来店やウェブで衣装を選ぶところから始まります。
予約時に着付けやヘアメイクの有無を確認しておくと、当日の手配がスムーズです。
試着やサイズ確認を行い、必要があれば補整の相談や小物の追加をします。
受け取りや配達方法、返却期限について事前に確認すると、当日の手間が減ります。
保険やクリーニング料金の有無も確認しておくと、予期せぬ費用を避けられます。
格式別の着物選び
卒業式での着物選びは、格式に応じた装いを心がけることが大切です。
母親や教職員、卒業生それぞれに似合う着物の種類が異なりますので、目的を明確にして選ぶと失敗が少ないです。
ここでは代表的な四種類を取り上げ、場にふさわしいポイントをわかりやすく解説します。
訪問着
訪問着は柄が肩から裾にかけて連続している、格式の高い礼装用の着物です。
主に母親の第一候補として勧められ、結婚式や改まった式典にも違和感なく着用できます。
| 種類 | フォーマル度 | おすすめの着用者 |
|---|---|---|
| 訪問着 | 高め | 母親や来賓 |
| 色無地 | 中〜高 | 幅広い年齢層 |
| 小紋 | カジュアル寄り | 若い参列者 |
訪問着を選ぶ際は、柄の華やかさと色の落ち着きのバランスを重視してください。
帯は袋帯を合わせるとより格が上がり、金糸や刺繍のあるものを選ぶと式場に映えます。
色無地
色無地は地色が一色で、裾や袖に目立つ柄がない着物です。
紋の数や帯合わせでフォーマル度を調整できるため、汎用性が高い選択肢です。
三つ紋や五つ紋を入れると儀礼的な場面にも対応できますので、必要に応じて検討してください。
年齢を問わず似合いやすく、帯次第で若々しくもシックにも仕上がります。
付下げ
付下げは訪問着に似ていますが、柄のつながりがなく、やや控えめな印象です。
結婚式の列席や卒業式の服装として幅広く使える、準フォーマルの位置づけになります。
帯に特徴的な模様を入れることで、全体を華やかに見せることができます。
若い方から中年の方まで、柔らかく上品に見せたい場合に適しています。
小紋
小紋は柄が全面に細かく施されたデザインで、カジュアル寄りの着物です。
しかし、帯や小物を格上げすれば式典にも十分使える柔軟さがあります。
用途や年齢に合わせた柄選びが肝心ですので、以下のような視点で選んでください。
- 落ち着いた色味の小紋
- 華やかな柄の小紋
- 若々しい柄の小紋
- 帯で格を上げる組み合わせ
小紋は気軽に着られる利点があり、着慣れている方や写真撮影を重視する場合に適しています。
全体のバランスを見て、場の雰囲気に合わせた小物使いを心がけてください。
色柄の具体的な選び方
卒業式の着物は色柄の選び方ひとつで印象が大きく変わります。
ここでは場にふさわしい落ち着きと、写真に映える工夫を両立させるポイントを具体的にご紹介します。
落ち着いた色
卒業式は格式ある行事ですので、全体に落ち着いた色味を選ぶと安心感があります。
紺や深緑、臙脂などの濃色は顔映りを引き締め、式典らしい厳粛さを演出します。
淡いベージュやグレーはやわらかく品の良い印象になりますが、ぼやけないように差し色を加えると効果的です。
光沢の強い素材は華やぎますが、派手になりすぎない色調を選ぶと全体のバランスが整います。
差し色の使い方
差し色は全体の調和を壊さず、ほどよいアクセントとして使うことが大切です。
帯や帯揚げ、半襟で一点だけ明るい色を入れると、写真でも顔周りが華やかに見えます。
- 帯で差す
- 帯揚げで明るさをプラス
- 半襟でさりげなく
- 草履とバッグで統一
差し色は一度に多用せず、二色以内に抑えると上品にまとまります。
無地の選択基準
無地を選ぶときは生地の質感と織りの表情に注目してください。
絹本来の光沢があるものはフォーマル感が強くなりますし、紬のような織りのある生地は落ち着いた味わいを出します。
柄がない分、帯合わせや小物で個性を出すことを前提に選ぶとコーディネートがしやすいです。
家紋の有無や式の格に合わせて、色の深さと素材の格を揃えると違和感がありません。
吉祥文様
吉祥文様は祝いの場にふさわしい意味を持つ柄で、卒業式にもよく合います。
鶴や亀、松竹梅など伝統的な文様は見た目の美しさだけでなく、縁起も重視できます。
下の表は代表的な吉祥文様とその象徴を簡潔にまとめたものです。
| 文様 | 象徴 |
|---|---|
| 鶴 | 長寿 鶴の夫婦円満 |
| 亀 | 長寿 安定 |
| 松竹梅 | 歳寒の徳 繁栄 |
| 宝尽し | 福運 財運 |
季節の文様
卒業式は多くが三月に行われますので、春を意識した文様選びが自然です。
桜や梅など早春の花は季節感があり、写真にも映えます。
ただし、季節外れの大胆な夏や冬のモチーフは違和感が出るため避けたほうが無難です。
袖や裾に配した小さな季節の文様は控えめで上品な印象になります。
帯と小物の組み合わせ
帯と小物は着物の印象を大きく左右しますので、卒業式らしい品格を意識して選ぶことが大切です。
色のトーンや素材感をそろえると全体にまとまりが出ますし、小物で少し力を抜くと親しみやすさも出せます。
袋帯
袋帯は最もフォーマルな帯のひとつで、格式を重んじる場面に向いています。
結び方は二重太鼓が定番で、締めたときの立体感が華やかさを出してくれます。
振袖や訪問着と合わせるときは、帯の柄の出方や地色を着物と調和させると安心です。
帯の幅や芯の硬さによって見え方が変わりますので、事前に試着して仕上がりを確認してください。
名古屋帯
名古屋帯は扱いやすさと程よいフォーマル感が両立する帯で、母親や教職員の方に人気です。
一重太鼓に結ぶことが多く、動きやすさを重視する卒業式にも向いています。
地味になりすぎないように、帯締めや帯揚げでアクセントを加えると映えます。
帯締め
帯締めは帯の表情を決める小物で、色や組み方で印象を自在に変えられます。
細めのものは上品で控えめに見せ、太めや冠組は華やかさを出せます。
| 素材 | 雰囲気 |
|---|---|
| 正絹 | 上品 |
| 冠組 | 格式高い |
| 三分紐 | 軽やか |
帯締めの色選びは着物の替え袖や帯のアクセント色に合わせると整います。
帯揚げ
帯揚げは帯の上部を柔らかく見せるアイテムで、ふんわりとした布の出し方が肝心です。
素材は絹が一般的で、光沢のあるものはよりきちんとした印象になります。
色は主張しすぎない差し色にすると全体が引き締まり、季節感も演出できます。
草履
草履は装い全体の格を決める重要なポイントです。
フォーマル度に合った台と鼻緒を選ぶことが欠かせません。
- 礼装用
- 略礼装用
- 普段使い
- 防水タイプ
履き心地も確認しておくと、当日を快適に過ごせます。
バッグ
バッグは小さめのクラッチやハンドバッグが基本で、草履と素材や色を合わせると統一感が出ます。
装飾が多すぎるものはフォーマル度を崩すことがありますので、控えめなデザインをおすすめします。
中身は必要最低限にまとめ、取り出しやすい構造のものを選ぶと動きやすくなります。
当日の着付けと持ち物準備
卒業式当日は着物の印象が決まる大事な一日です。
時間に余裕を持って準備すると、落ち着いて振る舞うことができます。
着付け手順
まずは和装用の下着と補整で身体のラインを整えます。
次に長襦袢を着て、衿の抜き具合と裾のバランスを確認します。
着物を羽織り、腰紐や伊達締めで位置を固定します。
衿合わせは顔映りを左右するポイントなので、鏡で細かく調整してください。
帯は種類に応じた結び方で形を作り、帯締めと帯揚げで仕上げます。
最終チェックで裾線と裄丈を確認し、動きやすさを試してから出発します。
補整用品
補整は着付けの安定感と見た目を左右します。
薄手の下着やガーゼ、パッド類を使って自然な立体を作ることが重要です。
| アイテム | 用途 |
|---|---|
| ガーゼ | 胸元の補整 |
| パッド | 背中の段差解消 |
| 腰パッド | 帯の収まり向上 |
| タオル | 腰紐の補助 |
防寒対策
卒業式は春でも朝夕は冷えることがあるので、防寒対策は必須です。
コートは着物用の道行コートやロングコートを選ぶと見た目が整います。
足元は足袋の上に薄手のソックスを履く方法や、ショールで首元を温める方法があります。
使い捨てカイロは襟元や背中に忍ばせると効果的ですが、直接肌に当てないようご注意ください。
雨対策
雨の日は着物が濡れるとシミや色落ちの原因になります。
濡れ対策としては撥水コートや透明のレインコートを準備することをおすすめします。
草履カバーやビニール袋を用意して、移動時の足元を保護してください。
屋内に入ったらすぐに濡れを拭き、必要なら交換用の足袋や替えの帯揚げを使って対応します。
着崩れ対策
着崩れを防ぐには、最初の着付けでしっかりと固定することが重要です。
腰紐や伊達締めを複数使って段階的に締めると、動いても形が崩れにくくなります。
座るときは裾を内側に入れて、帯に力がかからない姿勢を心がけてください。
携帯用の簡易補正セットや予備の腰紐を持っておくと、会場での応急処置が楽になります。
当日の持ち物リスト
必要な持ち物を前夜にまとめておくと、当日の慌ただしさを避けられます。
- 着物本体
- 長襦袢
- 帯と帯締め帯揚げ
- 足袋と草履
- 補整用品一式
- 替えのハンカチとタオル
- 薄手のコートまたはショール
- 携帯用裁縫セット
- 携帯用カイロ
- 雨具と草履カバー
品格ある着物で迎える卒業式の心得
節目の日を品格ある着物で迎えるための心得をまとめます。
事前の準備を入念に行い、色柄は落ち着きと個性の両立を意識して、帯や小物は全体のバランスを最優先に選んでください。
当日は着付けとヘアメイクに余裕をもち、着崩れ対策や防寒、雨天時の準備も忘れないよう心がけましょう。
写真や参列者との時間を大切に、所作や笑顔で自然な品格を演出してください。

