5月の着物コーディネート実例|朝晩の寒暖差に安心、気候別の着物選び

淡い水色の着物を着た女の子の後ろ姿と華やかな帯結び
コーディネート

初めて5月に着物を着ると、昼は暖かく夜は肌寒いという気候に戸惑い、どの素材や帯を選べばいいか迷いますよね。

単衣にすべきか袷のままにすべきか、長襦袢や汗対策、小物の涼感演出まで悩みは尽きません。

この記事では5月向けの着物コーデを、実例と気候別の選び方、帯結びの工夫と肌着選びまで具体的に提案します。

単衣小紋×名古屋帯、紬単衣×博多帯、袷色無地×袋帯などの組み合わせや、二重太鼓・文庫結び・貝の口といった結び方、小物での涼感演出も網羅しています。

写真を想定した実例で、場面に合った素材選びと帯結びのポイントが手に取るようにわかります。

まずは実例から見て、自分に合う素材と帯結びを見つけていきましょう。

5月の着物コーディネート実例

色鮮やかな着物を着た女性が竹林で微笑む様子

5月は初夏の陽気と肌寒さが入り混じる季節で、素材選びと色の調和が重要になります。

ここでは実際の組み合わせ例を挙げて、着こなしのコツや小物選びを分かりやすくご紹介いたします。

単衣小紋×名古屋帯

薄手の単衣小紋は柄の出し方で季節感を出しやすく、淡い色合いを選ぶと爽やかに見えます。

名古屋帯は締めやすく、普段のお出かけに最適です。

帯締めにはシルク混の細いものを合わせると上品にまとまります。

足元は草履で軽やかにまとめてください。

紬単衣×博多帯

紬の単衣は織りの表情が豊かで、カジュアルでも格が出るのが魅力です。

博多帯を合わせるとシャープな印象になり、大人のきちんと感が出ます。

色は深みのある藍や栗色で締めると、5月の緑に映えます。

帯結びは二重太鼓にして、バランス良く仕上げてください。

袷色無地×袋帯

まだ袷が着られる気温の日には、色無地に格式のある袋帯を合わせると安心感があります。

式典や改まった席にふさわしいコーディネートで、帯の柄は控えめな金糸を選ぶと上品です。

帯揚げは薄手の正絹で華やかさを添えてください。

木綿着物×半幅帯

カジュアルな外出や市場、カフェ巡りには木綿着物が動きやすくて便利です。

半幅帯はアレンジが自由で、軽快な雰囲気を作れます。

季節感を意識して、明るめのストライプや格子を選ぶと若々しく見えます。

  • 普段着のお出かけ
  • 軽い散策や買い物
  • 帯結びを楽しむ練習

アクセサリーは小さめの巾着や帆布バッグで遊び心を出すと映えます。

薄物小紋×夏名古屋帯

薄物小紋は5月の終わり頃から取り入れやすく、透け感が涼しげです。

夏名古屋帯は素材が軽く、暑さ対策にもなります。

柄合わせは帯の表情を生かすために、着物は控えめな小柄を選ぶとよいです。

薄手の長襦袢と合わせて、着心地の良さを優先してください。

洗える着物×ポリ帯

雨や汗が気になる季節には、洗える着物とポリエステル帯の組み合わせが頼りになります。

ケアの手間が少なく、旅行や長時間の外出にも適しています。

色柄はカジュアル寄りのものが多いので、小物で程よく格を上げるとバランスが取れます。

メリット デメリット
洗濯可能
耐久性が高い
通気性がやや劣る
自然な光沢感が控えめ

雨の日でも気兼ねなく着られるので、予定が不安定な日の強い味方になります。

気候別の着物選び

神社の手水舎で手を清める振袖姿の女性

5月は日によって暖かさが大きく変わる季節で、着物選びに迷いやすい時期です。

昼間は単衣で快適でも、朝晩に羽織が欲しくなることが多くあります。

ここでは肌寒い日と暖かい日、それに朝晩の寒暖差に分けて実例と実用的な対策をご紹介します。

肌寒い日の着物

肌寒い日はまず生地の厚みを基準に選ぶと失敗が少ないです。

袷のまま着るか、単衣でも裏地のしっかりした紬やウール混を選ぶと温かさが確保できます。

長襦袢は絹の裏付きや、保温性のある素材を選んでください。

羽織や道行コートを一枚持っていると、移動や室内外の温度差に対応しやすくなります。

足元は厚めの足袋や足袋カバーで冷えを防ぐことをおすすめします。

暖かい日の着物

暖かい日は通気性の良い単衣が便利で、着心地と見た目の涼やかさを両立できます。

色柄は明るめにすると視覚的にも涼しく感じます。

  • 単衣着物
  • 薄手の長襦袢
  • 汗取り肌着
  • 薄手の帯締めと軽い帯
  • 扇子や薄手のショール

汗対策としては吸湿性のある肌着や汗取りパッドを用意すると、着崩れを防げます。

朝晩の寒暖差

朝晩の寒暖差が大きい日は、重ね着で調整できる組み合わせがおすすめです。

羽織やストールを携帯し、室内では外しやすい工夫をしておくと便利です。

気温目安 おすすめの着物 携帯するもの
10度台 袷または厚手単衣 道行コート ウールショール
15度前後 単衣の紬や小紋 羽織 薄手ショール
20度以上 薄手の単衣や薄物 薄手の羽織 扇子

移動が多い日には、脱ぎ着しやすい羽織や軽いコートを選ぶと快適です。

また室内の暖房状況も考慮して、調整しやすい小物を用意しておくと安心です。

帯結びの工夫

着物姿の女性が笑顔で風呂敷を持ってお辞儀する様子

5月は気温が上がり始め、日ごとに体感が変わる季節です。

帯結びも、見た目だけでなく着心地や通気性を意識して選ぶと快適に過ごせます。

ここでは、日常から少し改まった場まで使える結び方の工夫を紹介いたします。

二重太鼓

二重太鼓はフォーマル向けの定番で、礼装から少し格式のあるお出かけまで幅広く使えます。

帯のボリュームが出るため、着姿に安定感が生まれます。

5月はまだ暑さを感じやすいので、帯揚げや帯枕の素材を薄手にするだけで軽やかさが出ます。

帯枕は通気性の良いものや、小ぶりのタイプを選ぶと負担が少なくなります。

腰紐や帯板を締めすぎないことも、長時間着用する際のポイントです。

文庫結び

文庫結びはカジュアルで動きやすく、5月の普段着向きの選択です。

見た目がコンパクトなので、風通しの良い着こなしにも向いています。

  • 帯を半分に折る
  • 腰で形を整える
  • 帯締めで固定する

簡単に結べて崩れにくく、買い物や散歩の日に便利でおすすめです。

貝の口

貝の口はすっきりとした印象で、季節の変わり目に合わせやすい結び方です。

程よいボリュームで、暑さを感じやすい日は軽めの帯素材と合わせてください。

帯幅や帯芯の硬さで見え方が変わるため、試着してバランスを確認することを推奨いたします。

帯締めを少し細めのものにすると、洗練された印象に仕上がります。

変わり結び

変わり結びは個性を出せるので、イベントや会食の日に重宝します。

素材の厚さや柄の出し方で印象が大きく変わりますので、事前にシミュレーションすると安心です。

小物をアクセントに使うと、涼しげで軽やかな印象にできます。

結び名 特徴
変わり太鼓 華やかさと安定感
使いやすい
立て矢結び 縦ラインが強調される
すっきり見える
蝶々結びアレンジ 可愛らしく軽やか
若々しい印象

簡単なアレンジでも雰囲気が変わるため、着る場面に合わせて複数パターンを用意しておくと便利です。

長襦袢と肌着の選び方

浴衣と下駄や巾着などの和装小物セット

5月は季節の変わり目で、朝晩は冷え込む日もあり、日中は汗ばむことが増えます。

長襦袢と肌着は通気性と吸汗性を重視しつつ、見た目の美しさも保つ必要があります。

ここでは麻長襦袢、絽長襦袢、半襦袢、汗取り肌着それぞれの特徴と選び方、手入れのコツを解説します。

麻長襦袢

麻長襦袢は通気性と速乾性に優れており、湿度が上がる5月後半に特に頼りになります。

生地の目が粗めで肌に触れる感触がさっぱりしているため、汗をかいてもべたつきにくいです。

一方で多少のシワがつきやすく、フォーマルな場では絽や絹の長襦袢の方が向く場合があります。

お手入れは風通しの良い場所で陰干しをし、漂白や高温乾燥は避けることをおすすめします。

絽長襦袢

絽長襦袢は透け感のある薄手の織りで、見た目に涼やかさを演出できます。

初夏の宴席やきちんとしたお出かけに向き、着姿に品のある透け感を加えたいときに便利です。

繊細な生地が多いため、衿元の汚れは早めに処置し、専門のクリーニングに出すことが多いです。

袖丈や裾の扱いに注意して、擦れや引っかかりを防ぐと長持ちします。

半襦袢

半襦袢は着付けの手軽さと重ね感の調整に優れており、日常使いの着物に重宝します。

裾よけと一体になったタイプや、衿の形が異なるタイプなど、用途に合わせて選べます。

  • 衿付き半襦袢
  • 裾よけ一体型
  • 袖なしタイプ
  • 補正パッド付き

袖なしは動きやすく、袖付きは正式感が出るため、TPOに合わせて使い分けてください。

汗取り肌着

汗取り肌着は長襦袢の下に着ることで、襟元や長襦袢本体の汚れを防げます。

素材によって吸汗性と速乾性が違いますので、気候や着用時間を考慮して選びます。

素材 特徴 洗濯
綿 吸汗性高い 洗濯機可
和晒生成り さらりとした肌触り 手洗い推奨
麻混 速乾性優れる 陰干し推奨
合成繊維 速乾性高い 洗濯機可

表の内容を参考に、着用シーンや洗濯の手間と相談して選んでください。

暑い日は速乾性重視、長時間の外出やフォーマルな場面では肌触りと吸汗性を優先するのが実利的です。

サイズは身体にフィットするものを選び、襟元がもたつかないように調整してください。

どのアイテムも汗をかいたら早めに洗って陰干しすることが長持ちのコツです。

小物で涼感を出すアイテム

華やかな帯と帯締めが映える振袖のウエスト部分のアップ

5月は日によって暑さが増してきますので、小物で涼しさを演出することが重要です。

着物自体の素材を工夫することに加え、手に取る小物で体感温度を下げる工夫をすると快適に過ごせます。

ここでは実用性と見栄えの両方をかなえるアイテムを紹介します。

扇子

扇子は定番の涼感アイテムですが、選び方次第で装いの印象を大きく変えます。

骨の素材や扇面の厚みで風の量や扱いやすさが変わりますので、用途に合わせて選ぶと良いです。

  • 京扇子
  • 紙扇子
  • 竹骨扇子
  • 布扇子

色や柄は着物の色合いに合わせつつ、差し色として使うと粋にまとまります。

手ぬぐい

手ぬぐいは汗を拭くだけでなく、首元や帯の下に挟んで汗防止にする使い方が便利です。

薄く乾きやすい素材が多いので、外出先でも気軽に洗って乾かせます。

小さく折って首に当てたり、帯の間に入れて汗じみを防いだり、アイデア次第で活躍します。

柄は季節感のあるものや無地のものを用意しておくと、コーディネートがしやすくなります。

保冷剤カバー

保冷剤カバーは冷たさを長時間保ちながら着崩れを防ぐための便利アイテムです。

胸元や帯の内側に入れて使うと、直接肌に触れずに涼感を得られます。

素材 サイズ 向く用途
ガーゼ 首元用
胸元用
綿 腰回り用

カバーは薄手で通気性の良いものを選ぶと冷たさが程よく伝わります。

何個かサイズ違いを用意しておくと、シーンによって使い分けられて便利です。

薄手の帯締め

帯締めを薄手の素材に変えるだけで、見た目の軽さと着心地の涼やかさが増します。

絹よりも薄く柔らかい綿や絽の帯締めは、締め付け感が抑えられて快適です。

色は淡いトーンや爽やかなブルー系を選ぶと、視覚的にも涼感を演出できます。

締め方を少しゆるめにして、通気性を確保する工夫もおすすめします。

今後の5月の着物準備

カラフルな和柄の着物が並ぶ店内の様子

これから5月の着物シーズンに向けて、準備すべきポイントを簡潔にまとめます。

気温の変動を考慮して、麻や絽の長襦袢や汗取り肌着を用意しておくと安心です。

帯は軽めの名古屋帯や半幅帯を中心に選び、予備の帯締めや帯揚げも忘れないでください。

小物では扇子や薄手の帯締め、保冷剤カバーなど、使い勝手の良いものを揃えておくと便利です。

お手入れは早めに済ませ、洗える着物やポリ帯のケア方法を確認しておきましょう。

  • 長襦袢:麻または絽
  • 肌着:汗取りタイプ
  • 帯:名古屋帯・半幅帯
  • 小物:扇子、保冷剤カバー、薄手帯締め