大切な着物を眠らせたままで「どうリメイクしていいか分からない」と不安に感じていませんか。
持ち込みで依頼する際は、事前相談や検品、デザイン決定、見積り、仮縫いといった手順が分かりにくく、費用や納期、店舗選びの悩みも出てきます。
この記事では持ち込み前の準備チェックリストから料金相場、納期、店舗比較のポイントまで、実践的で失敗しない情報をわかりやすくお伝えします。
まずは基本の流れと準備項目を押さえて、不安なく依頼できるようにしましょう。続きをご覧ください。
持ち込みで依頼する着物リメイクの手順
着物を持ち込んでリメイクを依頼する際の流れを、初めての方にも分かりやすく解説します。
事前に把握しておくと、打ち合わせがスムーズになり、仕上がりの満足度も高まります。
事前相談
まずは電話やメール、来店で事前相談を行います。
目的やイメージ、納期や予算の目安を伝えてください。
用意すると打ち合わせが早く進むものをまとめると便利です。
- 着用シーンの用途
- 希望するデザインの写真
- 採寸メモ
- 予算レンジ
- 納期希望
相談時に過去の作品やサンプルを見せてもらうと、仕上がりイメージが共有しやすくなります。
着物検品
持ち込み後、職人やスタッフが着物の状態を詳しく検品します。
| 検品項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 生地の状態 | 色褪せ 薄いシミ 繊維の摩耗 |
| 縫製部分 | ほつれ 糸切れ 解けやすい箇所 |
| 汚れと臭い | 目立つシミ カビの有無 保管臭 |
| 柄と地色 | 柄合わせの必要性 柄の利用可否 |
検品の結果によっては、リメイクの可否や追加の前処理が必要になることを説明されます。
デザイン指定
どの部分を活かし、どのような形にするかを具体的に決めます。
写真やスケッチを用意すると、職人に伝わりやすくなります。
柄の取り込み方や裏地の色、ポケットなどの機能面もここで相談してください。
必要ならば、素材の取り扱い上の注意点や避けたほうが良い加工も提案してもらえます。
見積り受領
検品とデザイン指定をもとに、見積りが提示されます。
料金は工程ごとに内訳が示される場合が多く、透明性を確認しましょう。
疑問点があれば遠慮なく質問し、納得した上で依頼を確定することが大切です。
多くの店では、正式発注時に一部の前金を求められることがありますので準備してください。
仮縫い実施
ジャケットやワンピースなど体に合わせるものは仮縫いを行います。
仮縫いでは着付けの状態やラインの確認をし、細かな修正点を決めていきます。
試着時は動きやすさや座ったときのシルエットも確認しましょう。
仮縫いの回数や追加修正が発生した場合は、費用と納期に影響することがあります。
最終確認
本縫いが完了したら、仕上がりの最終確認を行います。
色味、縫製の仕上がり、寸法の最終チェックを丁寧に行ってください。
気になる点があればすぐに伝え、納得してから受け取るようにしましょう。
必要であれば、仕上げのプレスや簡単な補正を依頼することも可能です。
納品受取
店舗受取か郵送での受け取り方法を選べます。
受け取り時には外観確認と試着で最終チェックをしてください。
支払い方法は事前に確認しておくと受け取りがスムーズです。
長期保存や手入れ方法についてのアドバイスを受けて、大切に仕舞いましょう。
持ち込み前の準備チェックリスト
着物をリメイクに出す前に、あらかじめ準備を整えておくと手続きがスムーズになります。
ここでは測寸から梱包まで、実務で役立つポイントをわかりやすく解説いたします。
寸法メモ
リメイクの方向性を決める重要な情報が寸法です。
自分のサイズや仕上がりイメージに合わせて、主要な測定値をメモして持参してください。
| 部位 | 計測方法 |
|---|---|
| 着丈 | 肩から裾まで 直線で測る |
| 裄丈 | 背中心から手首まで 中指の先端まで含める |
| 袖丈 | 肩先から袖先まで 自然な落ち感で測る |
| 身幅 | 脇下の直線距離 左右それぞれ測る |
汚れと傷の確認
持ち込む前に全体を広げて汚れや傷の有無を確認してください。
シミがある場合、古いシミは完全に落ちないことがありますので、事前に伝えておくと安心です。
ほつれや裂けはリメイクで対応可能な範囲と修理が難しい場合があるため、画像で共有すると判断が早くなります。
付属品の整理
着物本体のほか、付属品を忘れずに整理して持ち込みましょう。
- 帯
- 帯締め
- 帯揚げ
- 衿芯
- 和装小物
素材の可否確認
素材によってはリメイクに適さない加工や仕立てが必要になることがあります。
絹や正絹は繊細で、染め直しや高温の工程が難しい場合がございます。
化学繊維は扱いやすい反面、通気性や風合いが変わることがあるため、事前に相談することをおすすめします。
写真撮影
持ち込み前に全体写真と部分拡大写真を撮影しておくと、相談がスムーズになります。
明るい自然光の下で背景をなるべく無地にすると、柄や色味が正確に伝わります。
汚れや破れはクローズアップ写真を撮り、複数の角度から記録しておくと安心です。
梱包方法
店舗に直接持ち込む場合でも、移動中の擦れや折り目を防ぐ丁寧な梱包が必要です。
和紙や柔らかい布で包み、直射日光や湿気から守ることを心がけてください。
郵送する場合は丈夫な箱を使い、ラベルに品名と連絡先を明記すると受け取りトラブルを防げます。
不安な点がある場合は事前に店舗に問い合わせて、推奨される梱包方法を確認してください。
費用と料金相場
着物リメイクを持ち込みで依頼する際の費用は、作業内容や素材状態で大きく変わります。
ここでは主要な項目ごとに相場感と注意点をわかりやすく解説いたします。
基本縫製代
基本縫製代は洋服への仕立て直しやシンプルなリメイクの土台となる費用です。
ワンピースやスカートなど一般的なアイテムだと、おおむね2万〜5万円前後が目安となることが多いです。
複雑なパターン変更や裏地の取り付けが必要な場合は、追加料金が発生しやすいです。
ほどき洗い代
ほどき洗い代は、仕立てを解いて素材を整える工程にかかる費用です。
着物の縫い目の数や糸の強度によって作業時間が変わり、5千〜2万円程度の幅があります。
汚れ落としやシミ抜きを同時に依頼すると、別途クリーニング代が上乗せとなることが一般的です。
仮縫い費用
仮縫いはフィッティングの精度を上げるために重要な工程です。
仮縫い込みで仕上げる場合、1回あたり5千〜1万5千円程度が相場になることが多いです。
サイズ調整や着心地の確認を重視する場合は、仮縫いを省かないことをおすすめします。
デザイン追加費
デザインの追加や装飾は、費用が変動しやすい部分です。
以下はよくある追加作業と、その目安です。
- 袖丈変更
- ポケット追加
- 裾のデザイン加工
- 刺繍やアップリケの装飾
- 柄合わせやパーツの組み替え
装飾や手作業が多いほど工賃が上がりやすく、数千円から数万円の幅があります。
具体的な見積りは、デザイン画や要望を見せたうえで確認してください。
素材割増
素材の種類や扱いにくさによって、割増料金が発生する場合があります。
絹や金箔などの高級素材は、取り扱い注意のため割増が一般的で1.2倍〜1.5倍程度になることがあります。
また、劣化が進んでいる素材は補強が必要になり、別途修理費が必要です。
小物リメイク料金
帯や小物のリメイクは、アイテムごとに料金が異なります。
下表は一般的な目安料金です。
| 品目 | 目安料金 |
|---|---|
| 帯リメイク | 3000〜10000円 |
| 巾着やバッグ | 5000〜15000円 |
| 帯締めの調整 | 2000〜6000円 |
| 半衿の一部作り替え | 1500〜5000円 |
小物は素材や仕立てによって金額が変わりますので、事前に写真や実物で確認してもらうと安心です。
見積りは無料で出す店舗もありますので、複数店に相談して比較するのが賢明です。
納期と受取り方法
持ち込みリメイクで最も気になるのが納期と受け取り方法です。
素材やデザイン、職人のスケジュールによって変動しますので、事前に確認すると安心です。
通常納期
一般的なリメイクはおおむね2週間から4週間が目安になります。
シンプルな型替えや丈直しなどは短めで済む傾向にありますが、複雑なデザイン変更や刺繍の生かし方を考慮すると時間が延びることがあります。
繁忙期や展示会前後は納期が伸びる可能性があるため、イベントに間に合わせたい場合は余裕をもって相談してください。
仮縫い込み納期
仮縫いを行う場合は、通常納期にプラスで1週間から2週間程度かかるのが一般的です。
フィッティングの調整が必要なため、予約のタイミングや職人の空き状況で変動します。
仮縫い日と本縫い日の間隔が短すぎると仕上がりに影響することがあるため、余裕をもったスケジュールが望ましいです。
急ぎ対応
急ぎで仕上げたい場合は、事前に優先対応が可能かどうか問い合わせてください。
- 優先仕上げ
- 追加料金での短納期対応
- 仮縫い省略の相談
ただし急ぎ対応は追加料金が発生したり、仕上がりの微調整が制限される場合がありますので、条件をよく確認してください。
店舗受取
店舗受取を選ぶと、仕上がり確認や試着がその場で行えます。
受取時には身分証明や受領書を求められる場合がありますので、案内に従ってご準備ください。
受け取り後のサイズ調整や縫製不備については、店舗での相談により対応してもらえることが多いです。
郵送受取
遠方の場合や来店が難しいときは、郵送での受け取りが便利です。
発送方法や送料負担の有無は店舗ごとに異なりますので、見積り時に確認してください。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 宅配便 | 追跡あり |
| ヤマト宅急便 | 時間指定可 |
| 定形外発送 | 料金安価 |
発送時の梱包は丁寧に行われますが、到着後に状態確認を行い問題があれば速やかに連絡してください。
店舗選びの比較ポイント
着物リメイクはデザインだけでなく、仕上がりの安全性や料金の透明性が重要です。
ここでは比較するときに押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。
料金透明性
料金の明確さはトラブルを避けるうえで最も大切な項目のひとつです。
見積りが細かく分かれているか、追加費用の発生条件が明示されているかを確認してください。
- 見積りの内訳
- 追加費用の有無
- 支払い方法とタイミング
- キャンセル規定
口頭だけで済ませると後から齟齬が出ることが多いので、書面やメールでのやり取りを残すことをおすすめします。
制作実績
過去の制作実績は技術レベルを判断する確かな材料になります。
ビフォーアフターの写真や、同じようなリメイク事例があるかをチェックしてください。
実績が豊富な店舗は素材ごとの扱い方やトラブル対処の経験も多く、安心感が違います。
可能であれば、実際に依頼した利用者の口コミやレビューも参考になさってください。
職人技術
職人の技術力は細部の完成度に直結します。
| 項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 縫製の仕上がり | 縫い目の均一さと裏側の処理 |
| 素材の取り扱い | 絹やウールの扱い方の実績 |
| 経験年数 | 和装から洋装への移行実績 |
疑問点は具体的に尋ねると、職人の応対から信頼度を測れます。
納期対応
納期の柔軟性と現実的なスケジュール提示があるかを確認してください。
仮縫いや複雑なデザインが入る場合は、余裕を見た納期調整が必要になります。
急ぎの対応を希望する際には、追加料金の有無と具体的な短縮可能日数を事前に確認してください。
アフターケア
納品後の修正や補修対応の有無は、長く着用する上で重要です。
保証期間や無料で対応する範囲、料金が発生する場合の目安を必ず確認してください。
クリーニングや保管方法のアドバイスが得られる店舗は、トータルでの満足度が高い傾向にあります。
納品後に気になる点が生じたときの連絡先と対応フローを控えておきましょう。
持ち込み着物リメイクを成功させる最終チェック
最後に確認することで、仕上がりの満足度が大きく変わります。
寸法メモを再確認してください。
汚れやほつれ、付属品の有無をもう一度点検し、気になる箇所は写真を添えて職人に伝えると安心です。
納期と受取方法の最終確認も忘れずにお願いします。
仮縫いがある場合は着用イメージを共有し、着心地やシルエットの希望を具体的に伝えてください。
見積りの内訳も再確認しましょう。
追加のデザイン変更や素材替えが生じた際の料金と納期影響を事前に把握しておくと、受け取り時のトラブルを避けられます。
最後に、連絡先と支払い方法の確認をお願いします。

